世界銀行は11日、西バルカン6カ国の2018年経済成長見通しを従来の3.3%から3.2%へ、19年についても3.6%から3.5%へ引き下げた。中期的な成長持続を実現するため、これら諸国に対し、大胆な構造改革の実施を促している。
成長を阻害するリスクとして世銀は、◇貿易障壁◇世界金融市場が超低金利から脱却しつつある(=新興諸国による資金調達が難しくなる)◇成長の伸びしろが限定的◇各国政府の政策の見通しが不透明(政策が急変する可能性)――を挙げる。
対策としては、(1)財政支出を合理化してねん出した資金を、改革予算に充てる(2)競争力の強化に向けた戦略的取り組みを強化する――などを指摘。(1)については、的の絞られていない社会支出・助成といった経常予算の見直しを促す。
また、成長に必要な柱の一つとして金融投資の活発化を挙げ、アルバニア、モンテネグロ、コソボ政府がこれに取り組んでいることを評価。財政・公共投資、国家予算管理を慎重に行うことで、投資をめぐる金銭的リスクの最小化に貢献できるとした。
西バルカン諸国の2017年成長率(推定値)は2.4%と世銀の予想をやや下回った。アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、モンテネグロが3~4.4%を記録したのに対し、マケドニアはゼロ、セルビアは1.9%にとどまり、足を引っ張った。