リトアニアのクライペダ自由経済地区(FEZ)が330万ユーロをかけて工業団地「フレックス・スタート」を整備する。同地域で不足する事務所・工場向け賃貸物件を市場に供給するとともに、迅速かつ確実な拠点開所を支援する狙い。今年7月に完工する予定で、すでに引き合いが来ているという。
フレックス・スタートの物件総面積は7,400平方メートルで、うち6,000平方メートルが工場向けだ。電子機器や電気自動車(EV)・部品メーカー、機械設備の組立会社、金属加工産業をテナント(店子)に想定し、それぞれの必要に合わせて柔軟にスペースをデザインできるようにする。これにより、短期間で起業・事業拡大が可能になる。最小賃貸面積は工場で1,000平方メートル、事務所で180平方メートル。
英フィナンシャル・タイムズの『FDIインテリジェンス』が選ぶ2017年の「グローバル・フリーゾーン賞」で、クライペダFEZは迅速な事業のスタートを支援する仕組みが評価され、「クイック・ローンチ賞」を受賞した。リトアニアでは建設許可取得に最低6カ月必要だが、クライペダFEZの「ファースト・ファクトリー・ローンチ」制度を利用すると、建設許可がすでに下りている物件を確保でき、開所までの時間が最長6カ月と、ぐっと短くなる。
フレックス・スタート工業団地では、開所までの時間を1~3カ月に圧縮する予定だ。クライペダFEZは、同工業団地の賃貸スペースが埋まり次第、次の物件を開発することにしている。