オーストリアのアグラナ、セルビア製糖大手の買収取りやめ

オーストリア食品大手アグラナは2日、セルビアの製糖最大手スノコの買収交渉を中止したと発表した。欧州連合(EU)の砂糖市場をめぐる環境が厳しくなっていることを理由に挙げた。

アグラナは昨年7月、ギリシャ製糖大手のヘレニック・シュガーがセルビアで運営する2工場の入札に参加したが、条件で折り合わず売却自体が取りやめになった。その後、10月にスノコの株式51%の取得を目指していることを明らかにしていた。

スノコはセルビア北部のボイボディナ自治州にあるコヴァシツァ、ヴルバス、ペチンツィで工場を運営する。てんさいの買取量と製糖規模で南東欧最大を誇り、セルビア市場の7割を握る。年産規模は約30万トン。

EUでは砂糖の生産割当制度が昨年9月に廃止され、砂糖よりも安価な甘味料の需要が拡大している。

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