ブルガリアのバラ農家が倒産の危機に瀕している。豊作で相場が下落しているためで、先月中旬には生産地として知られるバラの谷のカザンラクで農民が抗議行動を行った。政府は救済措置の適用を検討している。
ポロシャノフ農相によると、作付面積の増加と暖冬が相まって、今年のバラ収穫高は前年を25%上回る1万6,000トンに上る見通しだ。精油メーカーの処理能力を超える量で、花弁の買取価格(キロ当たり)は例年の4~6レフ(2~3ユーロ)を大きく下回る1.3レフに低迷している。
ブルガリアはトルコ、イラン、モロッコと並ぶバラの産地だが、気候が特に栽培に適しており、その品質の良さが高い評価を受けている。
精油を1キロ生産するには花弁3,500キロが必要だ。これを反映し、精油の取引相場はキロ当たり6,000ユーロと高い。化粧品メーカーが主な顧客で、香水やクリーム、ローションなどに用いられる。(1BGN=65.14JPY)