トルコの5月インフレ率12.1%、上げ幅1.2ポイント拡大

トルコ統計局(TUIK)が4日発表した5月の消費者物価指数(CPI)の上昇幅は前年同月比で12.1%となり、前月の10.9%から1.2ポイント上昇した。これは昨年11月(13%)以来の高水準。通貨リラ安が食品や燃料などの輸入品価格を引き上げた。インフレ率の上昇は2カ月連続。過去12カ月の平均上昇率は11.1%だった。

分野別にみると、構成比重の大きい「運輸(自動車用燃料を含む)」が20%上昇したほか(前月は16.5%)、「食品・ノンアルコール飲料」が11%上昇した(前月は8.8%)。ほかに上昇幅が大きかったのは、「家具・家庭用品」(16.9%)、「その他の商品・サービス」(15.4%)、「宿泊・外食」(12.5%)、「衣類・靴」(11.2%)、「住居費・公益料金」(同)、「教育」(11%)だった。

上げ幅が最も小さかったのは「アルコール飲料・タバコ」(1.1%)だった。「通信」は0.2%値下がりした。

トルコでは経常収支の悪化や、利上げに反対するエルドアン大統領の発言などの影響でリラ安が止まらず、先月中旬には対ユーロの下落率が25%に達した。これを受けて同国中銀は28日、主要政策金利を後期流動性貸出金利から7日物レポ金利に戻すとともに、現行の8%から16.5%へ大幅に引き上げる抜本的な変更に踏み切った。

上部へスクロール