ノルド・ストリーム2、近く着工へ

バルト海で産出される天然ガスをロシアからドイツに輸送する2本目のパイプライン「ノルド・ストリーム2」を建設するプロジェクトの事業会社は7日、スウェーデン企業革新省とロシア建設当局から建設許可を取得したと発表した。これにより同パイプラインの着工が可能になり、計画が実現する公算が一段と高まった。

ノルド・ストリーム2の事業会社は、すでにドイツとフィンランドで工事に必要な許可を取得済みで、あとはロシア環境当局及びデンマークからの承認を待つのみとなっている。事業会社では、まずは許可のそろった区間で近く建設に着手する予定だ。

デンマークは、安全上の理由で領海内のパイプライン敷設を禁じることができる。万が一、許可が下りなかった場合には、デンマーク領を通らないようにパイプラインのルートを変更することも可能だが、全長が伸び、コストも拡大することになる。

ノルド・ストリーム2はすでに稼働しているノルド・ストリーム1に続く2本目のバルト海パイプラインで、来年末の稼働が計画されている。しかし、ロシア産のガスを直接ドイツに運ぶことに対し、送ガスルートから外れる中東欧諸国、エネルギーの対ロシア依存軽減を目指す欧州連合(EU)、欧州市場で自国産シェールガスを売りたい米国などが強く反対している。

上部へスクロール