オーストリア石油大手のOMVは5月30日、同社がトルコに持つサムスン・ガス火力発電所を現地投資会社のビルギン・エネルジに売却することで合意したと発表した。取引額は明らかにしていない。当局の承認後、遅くとも今年末には手続きが完了する見通し。今回の事業売却でOMVはトルコにおける発電事業から撤退する。
黒海沿岸のテルメにあるサムスン・ガス火力発電所の定格出力は890メガワット。同発電所は2013年に稼働を開始した。
OMVのライトナー取締役は、「売却はOMVの2025年に向けた戦略に合致したもので、ポートフォリオ最適化の一環だ。統合の進んでいない電力事業の削減は戦略目標達成に向けた最終段階にあたる」と述べた。同社は昨年6月、トルコのガソリン小売事業者ペトロール・オフィシを蘭スイス石油商社のヴィトルに売却している。
OMVは近年ロシア事業に重点を置き、コスト削減を図ってきた。今年3月に発表した中期成長戦略には中東、オーストラリア及びニュージーランドでの事業拡大が含まれている。
2006年に設立されたビルギン・エネルジは再生可能エネルギー関連事業への投資に特化している。トルコ国内に風力及び水力発電所を所有している。