トルコ自動車業界に打撃、通貨リラ安で

トルコの通貨リラ安が、同国の自動車市場に大きな打撃を与えている。独デュースブルク・エッセン大学自動車研究センター(CAR)の調べによると、今年上半期の乗用車販売台数は前年同期比10%減の27万5,870台に縮小した。特に6月は38%近く減少したという。

リラは年初から対米ドルで28%下落している。CARのドゥーデンヘファー所長は、トルコ自動車市場の縮小がさらに進むとみる。今年の乗用車販売台数は昨年の72万3,000台から55万台、来年は45万台まで減少する予想だ。「トルコ市場は10年以上前のレベルに戻ってしまった。一朝一夕に回復することはないだろう」とし、不況が続くとの見通しを示した。

ドイツメーカーを例にとると、BMWのトルコ販売台数は2015年の3万3,000台から16年には2万9,000台、17年には2万1,000台まで後退した。フォルクスワーゲン(VW)は16年に過去最高となる17万4,000台弱を記録した後、17年は15万9,000台と9%近く減少した。今年上半期はさらに不調で19.5%減の5万4,000台にとどまっている。

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