中国の電子商取引(EC)最大手アリババは11日、ロシアの無料メールサービス大手メールルー(Mail.Ru)とネット通販の合弁会社「アリエクスプレス・ロシア」の設立で合意した。新会社には政府系金融機関のロシア直接投資基金(RDIF)と携帯通信大手メガフォンも資本参加する。出資比率はアリババが48%、ロシア3社が52%となる。
アリババはプレスリリースで、「メールルーとの協業を通じ、同社のユーザー約1億人に対してSNSやメッセンジャー、eメール、オンラインゲームを活用して需要を喚起していく」としている。
ロシアのオンライン販売業連盟によると、同国では国外取引の52%を中国が占め、このうち60%がアリババの海外向けネット小売り(B2C)サイト「アリエクスプレス(AliExpress)」を利用したものだ。アリババは今年新たにB2Cサイト「天猫(Tmall)」を導入したほか、ネットオークションサイト「淘宝(Taobao)」の試験営業も開始しており、意欲的なロシア事業戦略を展開している。
RDIFのドミトリェフ社長は昨年末、メールルーとアリババの提携の可能性に言及するとともに、ロシアのオンライン物流インフラにRDIFがアリババとの共同投資を計画していることを示唆した。同分野のファンド立ち上げを視野に入れ、中国、日本、シンガポール、欧州、アラブ首長国連邦の専門家を招き、デジタル経済促進イニシアチブでの協力について協議したという。