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2018/9/19

総合・マクロ

トルコ中銀が大幅利上げ、政策金利24%に

この記事の要約

トルコ中央銀行は13日、主要政策委金利である7日物レポ金利を6.25ポイント引き上げ、24%とすることを決めた。利上げは6月7日に続くもので、過去5カ月間では5回目。通貨安に歯止めがかからず、輸入コストが上昇してインフレ […]

トルコ中央銀行は13日、主要政策委金利である7日物レポ金利を6.25ポイント引き上げ、24%とすることを決めた。利上げは6月7日に続くもので、過去5カ月間では5回目。通貨安に歯止めがかからず、輸入コストが上昇してインフレが高進していることから、市場予測の3.25ポイントを上回る大幅な利上げに踏み切った。為替市場は同日、中銀の発表を好感してリラが値上がりし、前日から対米ドルで4%高となった。

同国の8月のインフレ率は前月から2ポイント増の17.9%まで上昇し、2003年末以来の高水準を記録した。今年1月からの上げ幅の合計は7.5ポイントに達する。

トルコでは経常収支の悪化を背景に年初からリラが下落し続けているが、中銀は利上げを嫌うエルドアン大統領の圧力で身動きが取れないでいた。同大統領はインフレ率の上昇は「金利が高すぎるせいだ」と主張し、金融引き締めを求める声を「分かっていない」として退けていた。

中銀は声明で、「インフレ率の上昇が物価安定に対する重大なリスクとなっている」と指摘。価格の安定に向けて「強力な金融引き締めの実施を決定した」と強調した。また直近の金融政策が後手に回ったことを認めた上で、インフレ見通しが大幅に改善されるまで引き締めを継続する意向を示した。

中銀の利上げを受けてエルドアン大統領は14日、与党・公正発展党(AKP)関係者の前で「我慢の限界だ」と発言するとともに、リラの下落は関係が悪化している米国による「忌まわしい経済攻撃のせいだ」と述べた。

■エルドアン大統領、政府系ファンドを掌握

エルドアン大統領は11日、政府系ファンド(SWF)の経営陣を更迭し、自身を会長に指名した。また、娘婿であるアルバイラク財務相を理事職に就けた。

SWFは2016年のクーデター未遂事件後に設立された。資産規模は約2,000億ドルで、トルコ航空に49%、ハルク銀行に51%を出資するほか、トルコテレコム、国営郵便、国営鉄道、国営石油・パイプライン企業、イスタンブール証券取引所などの株式を持つ。