スイスの特殊化学大手クラリアントは12日、ルーマニアでセルロース系エタノール工場の建設を開始したと発表した。投資額は明らかになっていない。立地は同国南部クラヨバ近郊のポダリ区で、農作物の収穫時に田畑などで発生する残余物からエタノールを抽出する。100人から120人を新たに雇用する予定。
新工場では現地で収穫される麦わらなどを最大25万トン処理し、年間5万トンのセルロース系エタノールを生産する。抽出されたエタノールは再生可能エネルギーに利用し、化石燃料を使用することなく工場を稼働させる。
立地選定の理由としてクラリアントは、原料の調達が容易で、物流・産業インフラが整備されていることを挙げた。2016年夏の時点で同計画について政府助成金申請してたが、17年1月に却下された。それでも実行を決め、同10月に計画を正式に発表した。
クラリアントは1995年、スイスの製薬会社サンドからのスピンオフで設立された。53カ国に110の拠点を置き、欧州、北米、南米、中国及びインドに工場を持つ。