ロシアのオレシュキン経済開発相は先ごろ、2018年7-9月期及び10-12月期の国内総生産(GDP)伸び率がそれぞれ1.9%を上回るとの見通しについて懐疑的な見方を示した。ウラジオストクで開催中の東方経済フォーラムの会見で同相が述べたもので、特に来年1-3月期についてはさらに減速すると指摘した。
同相は7-9月期と10-12月期については大幅な伸びは期待できないとし、その理由として不確実性が大きく金融市場が不安定であることを挙げた。来年については1-3月期に大きく減速し、GDP成長率は1%を下回るとの見通しを示した。
ルーブルの為替レートについては、現状の水準ではインフレが加速し今年通期のインフレ率は予想値の3.4%を上回ると述べた。今後の予想については、ルーブルは現在ファンダメンタルズから大きく乖離していることから、年末までに1ドル63ルーブルから64ルーブルの水準になるとの見方を示した。ルーブルは10日に、1ドル70ルーブルと1ユーロ81ルーブルを付け、対ドル及び対ユーロ共に2016年3月以来の安値を付けている。
ロシア経済の今後については、世界銀行が5月に今年通期のGDP成長率の予想値を1.7%から1.5%に引き下げたほか、政府関係者も一部メディアに対し見通しの引き下げを示唆していた。ロシアでは来年、付加価値税の引き上げが予定されていることから、年内にインフレの高進や消費の冷え込みといった影響が現れるのではないかと一部では懸念されている。(1RUB=1.62JPY)