第一三共製薬のトルコ事業、元従業員が不正を告発

第一三共製薬がトルコに持つグループ会社の元従業員が現地幹部の不正行為について告発したことがこのほどわかった。同社が現地紙『ヒュリエット』に対し明らかにした。元従業員が大統領府広報センターに対し行った告発によると、本来秘匿されるべき患者の処方薬に関する情報を医師から取得するよう現地幹部が社員に圧力を加えていたとされるほか、同社の製品を多く処方した医師に対し、旅費の負担やスポーツイベントのチケット購入などの便宜を与えていた疑いも提起されている。

データの取得先には医師が持つコンピューター、病院及び薬局が含まれる。情報はEメールや携帯メッセージサービスを通して送付されていた。

元従業員の告発を受け、同社の東京本社はコンサルティング会社のアーネストヤングと協力して現地グループ会社に対する調査を開始した。同社はその結果に基づき既に複数の現地幹部を解雇した模様だ。

現行法では医薬品会社が医師に対し贈答品の授与や旅行の手配などを行うことは禁止されている。

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