容器回収機で交通費節約~トルコ

イスタンブールの地下鉄駅に先月から「容器回収機」の設置が始まった。飲料用のペットボトルやアルミ缶を投入すると、公共交通機関で使えるプリペイドカード「イスタンブールカード」に一定額が充填される。インフレ率が25%まで上昇していることもあり、利用者の評判は上々のようだ。

充填される金額は、ペットボトルの場合、容量330ccで2クルシュ(1リラ=100クルシュ)、500ccで3クルシュ、1リットルで6クルシュ、1.5リットルで9クルシュ。アルミ缶では330ccで7クルシュ、500ccで9クルシュだ。公共交通機関の運賃が1回2.6リラ(55.2円)だから、容器だけでまかなうには、最も金額の大きい1.5リットル入りペットボトルや500cc入りアルミ缶でも29本必要になる。

利用者は「少額でもお金はお金」というスタンスで容器を持ち込んでいる。環境保護に関心のある人も多く、ある学生は夏にボランティアでエーゲ海岸を掃除した経験から、「掃除の行き届いている駅ではなくて、海岸や浜辺に回収機を置いたほうが効果がある」と話す。また、ある男性は「回収機はいい発明だけれど、(環境保護のために)もっといろいろなことをしなければならない」という。「イスタンブールでは森がたくさん伐採されたし、東トラキア(トルコの欧州部分)の川の汚れはひどい」というのが理由だ。

トルコではリサイクルは任意。資源ごみ回収は、町をしらみつぶしに歩き回って使えるものを集める貧しい人たちが担っている。環境省によるとペットボトルの回収率は50%、古紙も昨年1月から今年3月までに170万トン回収したというが、日本の2017年の古紙回収量が1,722万トンだったことを踏まえると、伸びしろはまだまだありそうだ。

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