エストニア、タリン・ヘルシンキ間でハイパーループ導入を検討

エストニアのシムソン経済インフラ相はこのほど、訪問先の米ロサンゼルスで、タリンとヘルシンキを結ぶ海底トンネル計画で、次世代超高速システム「ハイパーループ」の導入を検討すべきとの立場を明らかにした。同システムを開発するバージン・ハイパーループ・ワンの首脳との会談後に発言したもので、現存するどの海底トンネルよりも長いタリン・ヘルシンキ・トンネルでハイパーループを実用化することは「欧州だけでなく、世界の利益にもつながる」と話した。

シムソン経済インフラ相によれば、エストニア政府は新しい運輸技術に関心を寄せており、ハイパーループはそのうちの一つという。ラタス首相はすでに昨年9月バージンと、タリン・ヘルシンキ海底トンネルの枠内で提携する基本合意書に調印している。

ハイパーループは、真空近くまで気圧を減らしたチューブ内で磁気を推進力に旅客・貨物カプセルを運行するシステムで、最高時速は1,080キロメートルに及ぶ。

タリンとヘルシンキの距離は約50キロメートル。最速の旅客船でも90分かかる。エストニアとフィンランドの地方自治体などが設立したファイネスト(FinEst)・リンクによると、海底トンネルに鉄道を走らせた場合、所要時間は30分に縮まる。