ハンガリーのベンチャーキャピタルであるエックス・ベンチャーズ(X-Ventures)が、同国のAR(拡張現実)開発企業エアリン・エックス(AerinX)に対し2億5,000万フォリント(78万ユーロ)を投資することがわかった。現地紙『ブダペストビジネスジャーナル』が7日報じた。エアリン・エックスが開発しているのは航空機の非破壊検査やメンテンナンスにAR技術を利用するシステムで、現在人手に頼っている航空機の検査などに活用し、迅速化や確実性の向上を図ることができる。
エアリン社のシステムはAR技術を最新の画像処理技術と組み合わせたもので、破損箇所のサイズと場所を正確に特定することができるほか、肉厚や破損の経緯など各機体の技術情報が飛行機の表面に3D表示されるなどの特長がある。同社によると、通常90分から2時間かかる非破壊検査が、同システムでは20分に短縮される。
開発中の同システムは現在、試作段階にある。エアリン社では戦略的な提携や製品の市場投入に向けて、航空機メーカーやメンテナンス会社などに対し働きかけを行っている模様だ。(1HUF=0.39JPY)