チェコ国営電力CEZが独再生可能エネルギー開発会社ABOウィンドから、フランスの風力発電プロジェクト(8発電所、合計出力116.5メガワット(MW))を取得する。国外における風力発電事業を強化する目的。取引額は明らかにされていないが、権利取得金のほか、プロジェクトの進捗に応じてマイルストーン(報奨金)を支払う取り決めだ。
CEZが買収したプロジェクトはABOが引き続き開発し、2~3年後に稼働する見通し。ABOは運営も担当する。
ABOによると、対象となる設備は2017年に廃止された旧制度に基づき、1メガワット当たり80ユーロの市場プレミアム(15年間)を確保している。
CEZは、2017年にもABOから仏風力発電プロジェクト(9発電所、合計出力100MW)を買収した。これらのプロジェクトのうち、これまでに約半数で建設許可を取得し、秋にはサントル・ヴァルドロワール県アシェール・ル・マルシェの発電所が稼働する見通しだ。
チェコでは風力発電開発の条件が厳しく、CEZは主に国外で風力発電資産を保有している。ルーマニアでは同国再生可能エネルギー容量の7%を占めるファンタネレ・コジャラツ発電所(出力600MW)を運営する。ドイツでも2016年に10発電所(合計出力133.5MW)を買収。トルコではアイルディス発電所(28.5MW)を保有する。