スロバキア政府が航空会社設立を検討、資金調達が課題

スロバキア交通省は1月23日、同国資本の航空会社設立の実現可能性に関する報告書を閣議に提出した。これによると、プロジェクトの投資額は最初の5年間で航空機購入を含めて推定1億7,500万ユーロに上る。今後各種の討論会を設けて分析を行い、最終結論を下す予定だが、資金調達が大きな課題だ。

航空会社設立には膨大な資金が必要となるが、欧州連合(EU)規定により国が直接出資することはできない。ただ、プロジェクトの初期段階では国が一部を負担しなければならないため、政府は設立に慎重だ。同国のエルセク交通相は、投資回収見通しや設立プロジェクトの管理体制について明確でないことも問題点として挙げている。

スロバキアでは民間航空会社のスロバキア航空が1998年に営業を開始し、モスクワとブリュッセルへの定期便のほか、スペイン、トルコ、チュニジアなど8カ国にチャーター便を運航していた。2005年にオーストリア航空の傘下に入ったが、07年に資金援助を打ち切られ倒産した。新たな民間航空会社については、17年に当時のフィツォ首相が設立を提案していた。