独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)がスロバキア子会社で人員削減に踏み切る。自主退職等の自然減や派遣社員・期間従業員の契約更新打ち切りなどを通じ、3,000人弱を削減する計画だ。失職する従業員には再就職支援を実施する。
生産体制については、VW車とアウディのSUV(スポーツ型多目的車)は3月半ば以降、現行の4シフトから3シフト制に移行するほか、週末シフトを廃止する。「小型ファミリーカー」の新モデルについては、6月半ば以降、2シフト制から単一シフト制となる。ポルシェ車については長期休業期間までは変更がない。シフト減で手当てが減額される従業員が出るため、全体として人件費削減にもつながる。
具体的な人員削減策は、◇ハンガリーのアウディ工場から派遣されている400人◇自然減で600人◇派遣・期間雇用社員の契約延長打ち切りで1,400人◇アウディ工場へ400人派遣◇他の国外工場へ100人派遣――などから成る。
削減対象となった従業員には、他社の求人広告を社内で掲示するなどの再就職支援を実施する。すでにニトラのジャガー・ランドローバー(JLR)工場が関心を示しているという。
現地経済誌『トレンド』によると、ブラチスラバ工場は、2022年以降に生産が始まるVWグループの新モデルについては1種類も担当となっておらず、30%の生産効率化が求められている。人員削減はこれに沿うものだ。