欧州宇宙機関、タリンに地球観測データセンターを開設

欧州宇宙機関(ESA)は16日、エストニアの首都タリンに衛星データセンター「ESTハブ」を開設した。政府や研究開発機関、民間企業などが、人工衛星「センチネル1号」から得られた地球観測データをより早く入手することができるようになり、研究開発の迅速化につながるとみられている。

経済通信省のルビ経済開発局次長は、「ESTハブ」の稼働で、「電気通信技術を活用した『スマート・ソリューション』の開発機会が拡大した」と歓迎した。政府を例にとれば、「これまでに国が集めたデータと地球観測データを組み合わせることで、より有益なサービスを生み出せる」とみている。

人工衛星を使ったインフラ監視システム「シレ(Sille)」を運用するエストニアIT企業、デイテルでは「『ESTハブ』を利用すればデータのリアルタイム度が上がり、サービスの質が向上する」と評価している。

センチネル1号は、ESAが欧州連合(EU)と共同で進める宇宙観測計画「コペルニクス」に沿い打ち上げられた。コペルニクス計画は複数の衛星を打ち上げ、さまざまな方法で地球を観測するプロジェクト。集めたデータを無料で公開し、政府・公共機関にとどまらず、ビッグデータを活用した新しい民間ビジネスの開発促進を狙っている。衛星データセンターは、十分な通信容量を確保するために集積データを地上で保管する施設で、これまでにフィンランド、スウェーデン、ノルウェー、英国、ドイツに設置されている。

上部へスクロール