チェコ大統領府が、暴行行為を教唆したとして、プラハに隣接するイェセニツェ市のマルティン・ラング市議会議員(市民民主党:
ODS)を刑事告発した。SNSサイト・フェイスブックの投稿で、ゼマン大統領を「2人目のヒトラー」だとし、「豚と同じように刺し殺さなければならない」と書いたためだ。
ラング議員は「誇張しただけ」と話しているが、ODSのフィアラ党首や、イェスニツェ市を管轄するODS中央ボヘミア支部はこの行動を強く非難している。
ラング議員が投稿したのは、教会に対する国の賠償金支払いに来年から19%課税する法律にゼマン大統領が署名し、発効への道筋をつけたことがきっかけだ(チェコでは議会が可決した法案の施行に大統領の署名を要する)。
政府は共産党政権時代に没収した教会財産のうち、返還不能なものについて金銭で賠償している。これまでは非課税だったが、ボヘミア・モラビア共産党(KSCM)が所得税と同じように19%を課税する法案を提出した。バビシュ少数内閣はKSCMの閣外協力を必要としているため、連立与党のANOと社会民主党(CSSD)が賛成し、法案が議会を通過した。
これに対してはすでに下院議員らが連名で憲法裁判所に訴状を提出しており、法が施行されるかどうかはその判断にかかっている。もしも合憲とされると、来年から30年間、毎年2,340万ユーロが賠償金から引かれ、国庫に逆戻りすることになる。