自動車の世界大手4社が、ロシア南部クラスノダール地方の裁判所を告発した。裁判所の判決で支払いを命じられた損害賠償の金額が高すぎ、消費者保護法の乱用に当たると主張している。被害額は合わせて2億ルーブル(275万ユーロ)に上るという。英語紙『モスクワタイムズ』が29日に伝えた。
告発したのは、現代自動車、起亜自動車、メルセデスベンツ、ジャガー・ランドローバー(JLR)の4社。関係機関である大統領府汚職対策評議会と連邦保安庁(FSB)、最高検察庁(Genproc)、裁判官評議会(SSRF)に訴状を提出した。
4社の代理人を務める法律事務所によると、自動車のオーナーが製品の欠陥・不良を主張して起こした賠償請求訴訟に関し、特定の複数の裁判所で法外な賠償金支払いを命じられた。すべての案件で同じ消費者保護局が被告の代理を務め、同じ鑑定家が製造時の欠陥を見つけた。これらの案件の賠償額は平均して車体価格の3倍に上り、メーカーの被害額は2016~18年だけで合計2億ルーブルに上ったという。
クラスノダール地方は以前から富裕層がよく訴訟を起こすことで知られている。トリックを使って、本来ならばモスクワで審判されるべき案件をクラスノダール地方の裁判所に移管。懇意の裁判官に担当させて有利な判決を引き出しているという。(1RUB=1.69JPY)