トルコ経済成長率、1-3月期はマイナス2.3%

トルコ統計局(TUIK)が5月31日発表した2018年1-3月期(第1四半期)の国内総生産(GDP、季節調整済)は前年同期比で2.3%減少した。前期比では1.3%増とプラス成長に復帰したものの、その背景には地方選挙を前にした政府支出の増加と国営銀行の貸出増があり、景気回復は一時的なものとみられている。

GDPのけん引役である個人消費は前年同期比で4.7%、投資は13%、それぞれ後退した。一方で政府支出は7.2%増加した。輸出は通貨リラ安を追い風に9.5%拡大した。輸入は28.8%の大幅減となった。

産業別の総付加価値(GVA)は農業で2.5%増加したものの、製造業(4.3%減)、建設業(10.9%減)、サービス業(4%減)はいずれも減少した。

国営銀行の貸出残高は第1四半期に30%増加し、1兆900億リラ(1,810億ドル)に達した。民間銀行は5%増にとどまった。

5月の消費者信頼感指数は2004年に記録を取り始めて以来、最低の水準に落ち込んだ。リラ安の継続と高インフレに加え、イスタンブール市長選やり直しなどによる政治不安が背景にある。

政府はそれでも通期成長目標を従来の2.5%増に据え置いているが、ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーがすでにそれぞれ2.5%減、1.8%減に下方修正するなど、景気が後退するとの見方は強い。

外的リスクとしては、ロシア製ミサイルシステムの調達をめぐる対米関係の緊張がある。米国が対トルコ制裁に踏み切れば、リラが暴落して経済に甚大な影響を与えるのは必至だ。(1TRY=18.47JPY)

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