キヤノンメディカルシステムズは1日、ロシア製薬最大手Rファームと戦略提携で合意したと発表した。Rファームがロシアでキャノン製の医療用画像診断装置を販売するほか、将来的な現地生産までを視野に入れて両社間の連携を進める。これによってキャノンはロシア事業の強化を図る。
キヤノンによると、同社は2015年、日ロ政府間協力の枠内でロシアにおける循環器病画像診断トレーニングセンターの設立に参加した。自社の最新医療機器を用いて現地医師の研修を実施し、循環器診断・治療の水準向上を支援してきた。今回の提携を通じて、医療の質・効率をさらに高めていきたい意向だ。
Rファームは2001年の設立。外資企業との共同開発による、がん・感染症・リウマチ等の幅広い領域の新薬が強みだ。医薬品だけでなく医療機器の製造販売も手がけ、ロシア国内と独立国家共同体(CIS)を中心に欧州、米国でも事業を展開する。
2017年には三井物産から資本を受け入れたほか、大塚製薬から肺結核薬のライセンスを取得。18年には富士フィルムと医療機器の販売代理店契約を結ぶなど、日系企業との提携も盛んだ。