クロアチアのユーロ導入準備が本格化、ERM II参加を申請

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のセンテノ議長(ポルトガル財務相)は8日、クロアチアがユーロ導入の前段階である欧州為替相場メカニズム(ERM

II)への参加を申請したことを明らかにした。クロアチアは順調に行けば2020年半ばにERM

II参加が承認され、23年にも20カ国目のユーロ導入国となる見通しだ。

ユーロ導入にはERM2に最低2年間加わり、自国通貨の対ユーロ標準値の変動率を上下15%以内に抑えることや、財政の健全化、消費者物価、長期金利の安定の計4項目で基準を満たす必要がある。

クロアチアの財務省と中央銀行は、センテノ議長と欧州中央銀行(ECB)総裁、ユーロ圏各国の財務相などに宛てた4日付の書簡で、為替相場の安定、財政収支などの面でERM

II参加の条件が整ったとして、参加を正式申請した。

クロアチアはERM

II参加に向けて、ECBによる銀行監督の受け入れの準備やマネーロンダリング(資金洗浄)対策の強化などに取り組む。ECBは欧州連合(EU)の欧州委員会とともに、これらの進展状況を検証した上で、約1年後をメドにERM

II参加の可否を判断する。参加が認められれば、23年1月にもユーロを導入することになる。

EUでは英国、デンマーク、スウェーデン、ポーランド、チェコ、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、クロアチアがユーロを導入していない。このうちブルガリアは昨年にERM2参加を申請済みで、早ければ22年にユーロ参加国となる。