スウェーデン通信機器大手エリクソンは4日、エストニアの首都タリンの工場で第5世代(5G)移動通信ネットワークを使ったIoT(モノのインターネット)試験が完了したと発表した。スウェーデン通信サービスオペレーターのテリア(Telia)と提携して実施したもので、生産効率化など様々な利点を確認した。5G利用のIoT試験は同国初の事例となる。
試験結果を受けタリン工場では今後、倉庫から生産ラインへの部品搬送に自動搬送装置(AGV)を導入し、人手と時間がかかる作業を大きく効率化する。AGVはリアルタイムでデータや画像をやり取りし、ドアの開閉もできる。部品の品質検査や試験で重要な役割を担う拡張現実(AR)や、工場内環境の監視システムも検証した。エリクソンの5Gシステムは数千個のセンサーの統合が可能で、多様な用途に対応する。
エリクソンは2009年にEMS(電子機器受託製造サービス)大手エルコッテックのタリン工場を買収し自社工場として整備した。2万5,000平方メートルの工場敷地には研究開発(R&D)部門もあり、同社の重要な生産拠点となっている。