ロシアのズヴェズダ(Zvezda)造船所は4日、ロシア天然ガス2位のノバテクが推進する液化天然ガス(LNG)プロジェクト「アークティックLNG2」向けの砕氷型LNG船の設計を、韓国の同業サムスン重工業に委託した。両社は同日、シャトルタンカー(海上基地に貯蔵された原油を陸地に運ぶ船舶)を共同で建造する合弁会社設立も発表しており、設計契約でさらに提携関係を深める。
砕氷型LNG船のエンジン出力は45メガワットで、氷点下52度の環境下で氷厚2.1メートルまで単独航行が可能な仕様となる。詳細設計書の作成では、ラズリット中央設計局(統一造船会社グループ)と協力してズヴェズダを支援する。
ロシアはこれまで砕氷LNG船を海外から調達しており、国産は今回が初めてとなる。
シャトルタンカーの合弁生産では、載貨重量4万2,000トン~12万トン級のシャトルタンカーを建造する。
ズヴェズダ造船所はロスネフチの主導する企業連合(ロスネフチガス、ガスプロムバンク)が極東造船・修繕センター内に設置した。大型船、洋上基地設備、寒冷地仕様船舶(砕氷船)、特殊船などを生産する目的だ。
ロスネフチは海洋設備・船舶の新規建造を全てズヴェズダ造船所に発注することで同社と契約を結んでおり、すでに船舶28隻(せき)の設計・建造・納入で合意した。
また、ノバテクは、アークティックLNG2プロジェクトに必要なLNG船の建造をすべてズヴェズダに委託することを決めている。海運大手のソヴコムフロットも今年4月に砕氷LNG船3隻を同社に発注済だ。