電気自動車(EV)大手の米テスラは先ごろ、チェコの首都プラハにショールームを開設した。同社にとって中東欧初の直営店で、サービスセンターも併設する。中東欧事業に本格参入する方針の一環だが、専門家からは出店の効果を疑問視する声も出ている。
プラハ9区のビソチャニ地区に開設した。「モデルX」、「モデルS」に加え、テスラ初の大衆向けEVである「テスラ3」の3モデルを販売する。
チェコにはすでに輸入業者を通じて同社のモデルを購入したオーナーが数百人いる。同国の投資会社サイラスのアナリスト、ペトル・ペルツ氏は、「価格の高さと保守的な国内市場を考えると、直営店を開設したところでオーナーが大幅に増えるとは思えない」と消極的な見方だ。「テスラのチェコ市場への参入は時期を逸したものだ。欲しい人はとっくに所有している」と指摘しつつ、同じEVなら来年に投入されるシュコダのシティーカー「シティゴー」の新モデルの方が「特定の顧客を惹きつけるだろう」と予想する。
テスラは中東欧でチェコ以外に、ルーマニア、スロベニア、ポーランド、ハンガリー、クロアチア、セルビア、スロバキアへの進出意欲を表明している。