シュコダ自、3Dプリンターを医療用マスク生産に転用

チェコのシュコダ自動車が、プロトタイプ製作用に保有している3Dプリンターを医療用マスク部品の生産に転用する。新型コロナウイルスの流行で医療関係者向けの防護具が不足しているのに対応する措置だ。

生産するのは、チェコ情報科学・ロボティクス・サイバネティクス研究所(CIIRC)とチェコ工科大学(CTUV)が共同で開発した新しいマスク。濾(ろ)過能力が99%以上の欧州規格「FPP3」を満たし、フィルターを交換すれば再利用できる。開発着手から当局の承認までわずか1週間という迅速さだった。

ただ、生産に対応できる3Dプリンターは、マルチジェットフュージョン式の3種類のみ。シュコダ自は社員の提案を受けて、プロトタイプ製作を中断し、マスク部品の生産に切り替えることにした。1日でマスクを60個生産できるという。

マスクの大量生産に向けた準備も進められているが、射出成型機の調整に数週間かかる。このため、つなぎの措置として3Dプリンターに白羽の矢が当たった形だ。

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