新型コロナウイルスの感染拡大が欧州の新車市場も直撃している。欧州自動車工業会(ACEA)が17日発表した欧州連合(EU)(マルタを除く26カ国)の3月の新車販売(登録)台数は56万7,308台となり、前年同月から55.1%減少。下げ幅はリーマンショック時の最悪期を超えた。
EUでは大半の国が新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、「ロックダウン」と称される人の移動制限、社会・生活の維持に不可欠ではない店舗などを閉鎖する措置を3月中旬から導入している。自動車販売店も営業ができないことから、新車販売が急減した。リーマンショックに端を発した世界金融危機に見舞われた際に、新車販売が最も落ち込んだのは09年1月。この時でも下げ幅は27%だった。
EUでは全加盟国で販売が低迷。下げ幅はイタリアが85.4%で最高だった。その他の主要市場もフランスが72.2%減、スペインが69.3%減、ドイツが37.7%減と大きく落ち込んだ。
欧米の主要メーカーは軒並み販売が急減。フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が76.6%減と、最も低迷した。最大手のフォルクスワーゲン(VW)は46.2%減だった。
日本勢はトヨタが41.2%、日産が60.3%、マツダが67.8%、三菱が52.1%、ホンダが67.5%の幅で減った。
EU26カ国に英国、アイスランド、ノルウェー、スイスを加えた欧州30カ国ベースの販売台数は51.8%減の85万3,077台だった。