ロシア民間ガス最大手ノバテクが、カムチャツカ半島の液化天然ガス(LNG)積み替え基地建設プロジェクトに政府の資金援助を受ける。4月半ばに公示された政令で明らかになったもので、助成金額は今年から2022年までの3年間で35億ルーブル(4,400万ユーロ)に上る。LNG基地は年内に着工し、22年初めに第一段階となる施設の完成を見込む。
当初の計画によると、総工費は700億ルーブル(8億8,000万ユーロ)。ノバテクのソロヴィヨフ副社長が以前、現地メディアに明らかにしたところでは、先に123億ルーブル(1億5,300万ユーロ)の支援約束を取り付けたもようだ。
カムチャツカ半島東岸ベチェヴィンスカヤ湾のLNG基地建設計画は、アジア太平洋地域への輸出拡大のためのインフラ整備の柱だ。計画によると年間処理能力は最大2,170万トンで、北極圏ヤマル半島のプラントで生産したLNGを北極海航路で同地に運び、積み替えてアジアに供給する。ノバテクは2017年に同基地開発でカムチャツカ地方政府と、18年にロシア極東開発省と基本合意を交わしている。
ノバテクの2019年売上高は8,630億ルーブル、営業利益(EBITDAベース)は4,610億ルーブル、純利益は2,450億ルーブル(30億2,700万ユーロ)だった。(1RUB=1.45JPY)