カザフスタンがカスピ海地域のデジタルハブを目指して動き出している。同国の投資促進機関カザフインベストによると、デジタル技術関連省庁や対外関係機関が参加する会合が先ごろ開催され、国内にデジタル拠点を設置する計画について議論がなされた模様だ。設置予定地としてはカスピ海沿岸のマンギスタウ地方が検討されている。
同構想ではカスピ海の海底に光ファイバーケーブルを敷設するとともに、同国のカスピ海東岸に位置するアクタウ及びアゼルバイジャンの首都バクーにそれぞれデータセンターを設置し、両国を通して欧州とアジアを結ぶ通信網を構築することが想定されている。
今回の会合では、データセンターに大量の電力を安定して供給するため近隣に天然ガスや再生可能エネルギーを用いた発電所を設置することや、ロードマップの作成、投資家を引き付けるための手法についても検討された。
カザフインベストでIT関連プロジェクトを担当するツレショフ氏は、カスピ海横断光ファイバー網を敷設することで同国とアゼルバイジャン両国の経済発展に新しい可能性がもたらされると述べた。
同プロジェクトはカザフスタンとアゼルバイジャン両政府によって昨年発表された。カスピ海に敷設される海底ケーブルの長さは約400キロメートルで、データの伝送容量は毎秒4テラバイトから6テラバイトが想定されている。プロジェクトの実施に向け両国の通信事業者は既に企業連合を立ち上げたほか、建設に向けた合意が成立している。工事着工は来年末の予定だ。