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2020/6/17

総合・マクロ

ベトナムがEUとのFTAを批准、7月にも発効へ

この記事の要約

ベトナムの国会は8日、欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)を賛成多数で承認した。EU側はFTAを批准済みで双方の批准手続きが事実上完了したことになる。これによってFTAは7月にも発効する見通しだ。EUと東南アジア諸 […]

ベトナムの国会は8日、欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)を賛成多数で承認した。EU側はFTAを批准済みで双方の批准手続きが事実上完了したことになる。これによってFTAは7月にも発効する見通しだ。

EUと東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国とのFTAはシンガポールに次ぐ2カ国目。EUとベトナムは2019年6月30日、FTAと投資保護協定に署名し、EU側は3月に批准手続きを完了していた。

FTAが発効すると、物品貿易では双方とも最終的に99%の品目で関税が撤廃される。EUからベトナムへの輸出は65%の品目で関税が発効と同時に撤廃され、残りは最長10年かけて段階的にゼロとなる。一方、ベトナムからEUへの輸出は71%で関税が即時撤廃となり、残りは7年かけてゼロにする。

EUにとってベトナムはASEAN加盟国の中でシンガポールに次ぐ貿易相手国。EUからは機械、輸送機器、化学品、農産品など、ベトナムからは通信機器、コメ、海産物、衣料品などを輸出している。

世界銀行は5月、ベトナムはEUとのFTAによって2030年までに国内総生産(GDP)が2.4%、輸出が12%押し上げられるとの見通しを示していた。