「自動車依存から脱却を」=スロバキア大統領

スロバキアのチャプトヴァ大統領はこのほど議会で演説し、将来的な経済成長に向けた変化の必要性を訴えた。「低賃金を武器に投資を誘致する時代は終わり、国内の事業環境支援を通じて次の段階に進まなくてはならない」と強調した。

大統領は、スロバキアの労働生産性が2012年以来、欧州平均との差を縮められず、国民総所得も欧州平均の75%前後にとどまっている事実を指摘。「『世界の自動車工場』の現状に甘んじず、新しい経済モデルへ移行する時期に来ている」と話した。そして、「従来から指摘されてきた自動車産業偏重のリスクがコロナ危機による工場閉鎖・失業などの形で顕在化している」と付け加えた。

一方、政権交代の理由となった汚職については、裁判官の汚職訴追が続いていることに触れ、「公職に就く者の不法行為を罰していけるかどうかが、ポスト共産主義から法治国家へ移行するための試金石となる」との見方を示した。

欧州委員会はコロナ危機の直前に発表した国別報告書で、スロバキアが好景気にあったのにも関わらず、行政や公共サービス、教育の質向上やデジタル化の推進を怠ってきたと指摘した。そのうえで、将来の成長に向け、行政、教育、科学、研究、イノベーションの分野で適切な政策を実行するよう勧告している。

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