ハンガリー、緊急事態宣言を解除へ

ハンガリー議会は16日、新型コロナウイルス感染拡大に対処するため3月末に施行した緊急事態法の撤廃法案を可決した。政府はこれを受け、近く緊急事態を解除する予定だ。緊急事態法には政府の無制限の権限拡大や、言論および報道の自由の規制、選挙と国民投票の停止などが盛り込まれており、政府がコロナ危機を口実に独裁体制を強めていると国内外から激しく非難の声が挙がっていた。

議会は16日、新型コロナに関わる特別権限を盛り込んだ保健上の緊急事態に関する新法案を可決した。同法の規定によると、世界的な疫病流行で国民の生命や医療システムが脅かされるような場合、当局専門医の推奨と省案に基づき、議会の承認なしに緊急事態を宣言することができる。

保健緊急事態法は最初の採決で野党が棄権したため可決に必要な議員数の3分の2に達しなかったが、2回目の採決で賛成票が過半数に達したため可決された。緊急事態法で確保した特別権限を同法に移し替えただけだと、野党は政府を激しく非難している。

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