新型コロナ危機でチェコの自動車製造業界も大きな打撃を受けている。そんな中で、自動車部品用工作機械を人工呼吸器向けに調整することで、新たな需要をつかんだ企業がある。
この企業は金属・木材加工機械を製造するロイェク・ワイドベルト・サンダース (RWT)。プラハの東150キロほどに位置するリフノフ・ナト・クニェジュノウに本拠を置く。国内自動車産業の興隆に伴い、同産業向けの製品を好調に出荷していた。
昨年、米国進出に向けて現地企業と提携したときも自動車産業を視野に入れていたが、誰も予想しなかった新型コロナの流行で人工呼吸器の需要が拡大。提携先からの要望を受けて、5月と6月に人工呼吸器部品の仕上げ工程を自動化する設備を納入した。この設備は1時間で660個の部品を加工でき、省力化に大きく貢献できる。
同社は、自動車も医療機器もステンレス鋼を材料としているため、対応が可能だったと説明。チェコでも医療用ベッドや歯科用椅子などの部品製造に同社の設備80台強が活躍しているという。