カザフスタンの投資促進機関カザフインベストはこのほど、シンガポールの政府系企業であるインフラストラクチャー・アジアとの間で、カザフスタンでのインフラ整備事業に参画する企業の誘致について交渉を行っていることを明らかにした。対象となるのはシンガポールを含む東南アジア諸国の企業で、カザフインベストはインフラストラクチャー・アジアの企業ネットワークを活かした投資促進に期待をかけている模様だ。
インフラストラクチャー・アジアはアジア地域におけるインフラ金融や開発関連事業について、事業評価などを通して支援している。カザフインベストで戦略投資プロジェクトを担当するテミルガリ氏は、カザフスタンはアジアと欧州を結ぶ複合一貫輸送の拠点だとしたうえで、今後期待できる新しいインフラ事業として、◇カザフスタンのカスピ海沿岸の町アクタウとアゼルバイジャンの首都バクーを結ぶカスピ海横断国際輸送路(TCITR)◇アスタナ国際空港を中心に複合一貫輸送ハブや関連施設を整備する「アエロトロポリス」構想◇中国との国境近くに物流センターなどを整備するホルゴス港事業やカスピ海の港湾整備◇複合一貫輸送のデジタル化の推進――を挙げた。
同会合に出席したインフラストラクチャー・アジアのタン総裁は、グリーンエネルギー、デジタル化、公共施設の建設といった分野にも関心を示した。
両国は2018年11月に投資保護などを規定する二国間投資協定を締結している。