10年ぶりの男の子~ポーランド

チェコ国境に近いポーランドのミエイスツェ・オドジャンスキエ村。人口300人のこの村で、1カ月ほど前にバルトシュ君が生まれ「男の子で良かった!」と村中が喜んでいる。これだけ聞くと「男尊女卑か?」と疑われるが、それは違う。実は、この村では過去10年、女の子しか生まれなかったのだ。

同村が注目を集めたのは、全国青年消防団大会で代表チームに女の子しかいなかったことがきっかけだった。あちらこちらから「男の子が生まれる食事法」だのおまじないだのを伝える電話が殺到した。村のある地域では「男の子が欲しいときはベッドの下に斧を、女の子のときは花をおく」習わしがあるというが、バルトシュ君のお母さんによると、「教会で祈った」だけで斧なしでも男の子を授かったという。

10年ぶりの男の子というだけあって、村ではバルトシュ君への期待が膨らんでいる。お姉さんも団員の青年消防団に入るのはほぼ既定の事実。「ホースに穴が開いたり、ホースを持つ力が足りなかったりしたら手伝ってほしい」というリクエストがあがっている。

しかし、実際に男の子がいなくて困ることはないらしい。2013年に青年消防団が結成されたきっかけは「女の子たちの希望」によるもので、訓練にも熱心に取り組み、国内の主要な大会ではほとんど勝ってきたというから脱帽だ。