「制限速度を守らない国」として知られるポーランドで、警察がようやく取り締まりに本腰を入れはじめた。速度違反検挙を専門にする「SPEED隊」まで創設し、野放図な状態に歯止めをかけるべく奮闘している。
ポーランドでは昨年、2,672人が交通事故で亡くなった。車両の総走行距離あたりでみる死亡率は欧州で最も高い。取り締まりが甘く、罰則が緩いことに原因があるとみられている。
違法な公道レースも人気だが、「普通」のドライバーでも、市内で制限速度(時速50キロ)を守らない人は85%、市外(同70キロ)では何と90%に上る。しかし、社会的にも交通安全の意識が高まり、警察が取り締まりを強化するに至った。
昨年7月に創設されたSPEED隊は、今年6月までの1年で実に30万8,728件の速度違反を検挙した。昨年の免許停止数は交通警察全体で8万7,452件。免停処分の半分以上が、市内で制限速度を50キロ以上超過したケースだ。
今年1-8月期の免停数は前年同期から35%増えており、通期でも前期を大きく上回るとみられている。取り締まりの効果はもちろんだが、新型コロナ流行で道が空いていたためにスピード違反が増えたという事情もある。