ロシアの転職プラットフォーム大手、ユニコーン企業に

米金融大手ゴールドマンサックスはこのほど、保有するロシアのオンライン転職プラットフォーム大手ヘッドハンターの株式9.9%を1億100万ドルで売却することで合意した。この売却額に基づくヘッドハンターの時価総額は昨年から3億ドル増えて10億ドルに達し、企業価値が10億ドル超の未上場企業を指すユニコーンの仲間入りを果たした。

ゴールドマンは残る株式14.9%を米国預託株式(ADS)の形で保有し続ける予定。売却額に基づくADSの価格は1株20.25ドルで、昨年5月にヘッドハンターが株式公開(IPO)を行った際の評価額を50%以上、上回っている。

ヘッドハンターは2000年にミハイル・フロルキン氏とユーリー・ビロビツ氏によって設立された。07年には当時デジタルスカイテクノロジーズと呼ばれていたインターネット大手メール・ドット・ルー(Mail.Ru)に1,500万ドルで買収され、12年には完全子会社化された。16年には国内ファンドのエルブルスキャピタルが主導する企業連合が1億4,000万ドルで買収していた。ヘッドハンターは昨年2月に求人システムの開発企業スキルラスの株式25%を取得している。

ヘッドハンターの2019年の純利益は2,500万ドルだった。VTB銀行の英子会社VTBキャピタルによると、新型コロナ感染拡大によって同社の売上は減少したものの、競合企業がさらに大きな影響を受けたため、優位に立っている。また、21年に予定されている付加価値税(VAT)の減免措置の廃止もヘッドハンターに有利に働くと予想されている。

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