鉄道事故が多発~チェコ

チェコで鉄道事故が増えている。今月9日にはドイツとの国境に近いクドゥニーイェで旅客列車が貨物列車に衝突し、20人が重傷を負ったが、これで7月以来の鉄道事故件数は17件めとなった。エルツ山地での衝突事故では2人が、プラハ近郊での衝突事故では運転手が亡くなるなど、大きな事故が多発しており、チェコ鉄道監視局が原因解明に向けて調査中だ。

鉄道監視局は人為的な原因で事故が起こったと推測し、運転士の勤務シフトの組まれ方や、実際の休息時間などを調べている。結果は年末に発表される見通しだ。

チェコでは何年も前から鉄道運転士の過労が問題になってきた。サービス・運輸労組で交通問題を担当するベロウンスキー氏は7月の時点で現地報道機関に「人手が不足し、残業を強いられている」と話している。また、2つの鉄道会社に勤め、同じ日に両方で勤務することも珍しくない。定年を過ぎた年配者でさえ、そういう人がいる。

労働規定によると、鉄道運転士の1シフトは休憩を含め13時間で、その後、6時間以上の睡眠をとってから再び勤務する。シフトを2つこなした後は2日以上、休日となる。

国内最大手のチェコ鉄道(CD)は、「法の規定を厳格に守ってシフトを組んでいる」とコメントしているが、ある運転士がテレビ番組の取材で明かしたところによると、最初のシフトが9時39分から20時9分までで、第2のシフトが2時12分に始まるまで6時間空いているが、休憩所に移動して寝具を用意する時間を差し引くと5時間以下になるという。

事故再発防止に向けて、鉄道監視局では運転士1人1人の勤務・休憩時間を把握するシステムの導入を準備している。また、運輸省は運転士がきちんと休めるよう規定を改める方針だ。一方で、運転士が規定に違反した場合は、免許もはく奪できるよう法改正を検討している。

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