ポーランドのバス製造大手ソラリス、燃料電池バスがパリで試験運行

ポーランドのバス製造大手ソラリスはこのほど、フランスのパリ交通公団(RATP)が燃料電池バス「ウルビーノ12ハイドロジェン」の試験運行を実施していると発表した。パリの南部地域において数週間に渡り通常の定期運行業務で運用し、車両の能力を検証する。試験車両はパリ南郊のティエ地区に配備され、ベルサイユに隣接するジュイ=アン=ジョザで水素燃料の補給を受ける。

「ウルビーノ12」は出力70キロワット(kW)の燃料電池に加え、蓄電用の高性能バッテリーを搭載する。燃料となる水素は屋根の上に据え付けられた5つのタンクに保管する。これにより、従来型のバスに匹敵する航続距離を確保する。

ソラリスは昨年6月に「ウルビーノ12」を発表し、これまでにイタリア、ドイツ、オランダから合計57台の受注を獲得している。年内にも出荷を開始する予定だ。

RATPはパリを中心とするイル・ド・フランス圏の公共交通事業者で、フランスの都市交通運営会社の最大手だ。環境対策として2025年までにバス4,700台を低排出車に切り替える計画で、これまでにソラリスの天然ガス車「ウルビーノ18CNG」を19台運行している。また、電動車「ウルビーノ8.9LE electric」3台の購入も決まっている。