スロバキア資本の製造企業における業務のデジタル化・自動化=インダストリー4.0(I4.0)が今年は進んでいないことが、現地業界団体インダストリー4UMの調査で明らかになった。新型コロナの世界的流行(パンデミック)が障害となっているもようだ。一方で、コロナ危機の経験からデジタル化・自動化の必要性が強く認識されている。外資を受け入れている企業に比べて、純スロバキア資本の企業で移行が遅れていることもわかった。
今回の調査は57社を対象に行われた。回答企業のうち、I4.0への転換作業を進めているのは35%と昨年の40%から縮小した。プロジェクトの準備や実行に必要な専門家を集めるのが難しくなっているもようだ。
「I4.0への転換をもっと進めていれば(危機の)影響が小さかった」と考える企業は62%に上り、「I4.0への移行は非常に重要」とする回答は4分の3を占めた。
資本関係でみると、外国資本を受け入れている企業ではI4.0への移行の進捗状況に大きな差がみられた。移行を「実行中」とした回答は、外資を受け入れている企業で28%だったが、純国内企業では5%に過ぎなかった。「準備中」としたところは 全体で46%だったが、そのうち外資が参加する企業が35%で、純国内企業は9%だった。