欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)がポーランドのティヒ工場に7億5,500万ズロチ(2億399万米ドル)を投資する。ハイブリッド・電動仕様の新モデルを生産する目的だ。ヤロスワフ・ゴヴィン副首相は、さらなる投資の可能性に触れたが、具体的な言及は避けた。
FCAはティヒ工場で、新たに「ジープ」、「フィアット」、「アルファロメオ」の3ブランドの新型ハイブリッド車(HV)および電動車(EV)を製造する。来年後半に最初のモデルの生産に取りかかる予定だ。
サプライヤー筋によると、新モデルはいずれも小型で、ジープ車は「レネゲード」の下、アルファロメオ車は「トナーレ」の下のモデルに位置付けられる。フィアット車は18年に生産終了した「プント」の代わりを担うモデルとされる。いずれも、合併が予定される仏PSAが開発した共通プラットフォーム「コモン・モジュラー・プラットフォーム(CMP)」を採用する
ティヒ工場は南部シレジアに位置し、FCAの工場の中でも最大級の規模を誇る。製造車種はフィアット「500」とランチア「イプシロン」で、現在、およそ2,500人が働く。FCAは同工場の出荷台数を19年の26万3,176台から40万台まで引き上げる計画だ。
FCAは2018~22年中期計画で、投資総額450億ユーロのうち90億ユーロを電動化に振り向ける方針を示していた。ポーランドは自動車の電動化を追い風に、東欧の主要自動車生産国であるチェコやスロバキアと肩を並べることを目指しており、今回のFCAの動きはこれに合致する。(1PLN=27.74JPY)