電動飛行機器開発の露ホバーサーフ、空飛ぶタクシーの飛行テスト開始

電動の飛行機器を開発するロシアのスタートアップ、ホバーサーフ(Hoversurf)はこのほど、モスクワでドローン型タクシーの飛行テストを開始した。現地誌『ポピュラーメカニクス』によると、定員2名のドローン型タクシーは標準的なセダン型乗用車と同様の大きさで、最大積載量は300キログラム。滑走路を必要とせず通常の駐車場を使って離着陸できるのが特長だ。現在、競技場の屋内施設を用いて着陸や水平飛行、緊急時に使用するパラシュートなどのテストが行われている。カタログ上の飛行高度は150メートル、航続距離は最大100キロメートルとなる。

ホバーサーフ創業者のアレックス・アタマノフ氏は2018年にドローン型タクシーの開発を開始した。同社はこれまでに、4つの回転翼を持つ1人乗りクワッドコプターの「ホバーバイク」、最大積載量110キログラムのドローン「ホバーカーゴ」を開発したほか、現在は1人乗りの電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発を進めている。このうち「ホバーバイク」はアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ警察に採用されたものの、安全性に関する課題が指摘されている。

同社に対しては、起業家で慈善事業も行っている富豪のイスマイル・アフメトフ氏や電子決済サービス「Qiwi」を創業したセルゲイ・ソローニン氏、スタルタ・ベンチャーズファンドなどが投資している。同社が昨年実施した資金調達ラウンドにおける評価額は3,000万ドルに上った。

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