BCI開発の露ネイリ、政府系基金などから730万ドル調達

ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)技術を開発するロシアの新興企業ネイリ(Neiry)はこのほど実施したシリーズAラウンドで、政府系の国家技術イニシアチブ(NTI)計画支援基金などから総額5,410万ルーブル(730万米ドル)を調達した。資金調達後(ポストマネー)の企業価値は24億ルーブル(3,240万ドル)に上ったもようだ。資金は、脳の活動(思考)を通じてコンピューターを操作するニューラル・インターフェースの開発・製品化に投じる。産業・個人向け用途を拡大する狙いだ。

ネイリは2018年、モスクワを本拠に創業した。BCIと仮想現実(VR)ヘッドセットを組み合わせた技術の開発を手がけ、教育、娯楽、産業、医療、個人向けなど、幅広い分野で応用を試みている。現在、認識のレベルを測定するアルゴリズムと、脳とコンピューターをつなぐためのアルゴリズムの開発に取り組んでいる。この過程で収集・匿名化したデータを人工知能(AI)が分析して学ぶため、ユーザー側が練習しなくても容易にシステムを使えるようになるという。また、アイトラッキング(視線追跡)、皮膚電気活動(EDA)、音声認識のいずれの技術とも互換性があるとしている。

ネイリのアレクサンドル・パノフ最高経営責任者(CEO)によると、同社は既に米国、シンガポール、カザフスタンの企業と取引がある。今後も国際的な事業拡大を狙う。(1RUB=1.48JPY)

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