露のノリリスクニッケル、尾鉱ダムの監視にデジタル技術を活用

●ダム決壊の兆候をドローンなどで監視

●すでに永久凍土の状態監視にセンサーを活用

ロシアの非鉄金属大手ノリリスクニッケルは23日、生産拠点における尾鉱(廃棄対象の鉱石)管理を正確に行うためデジタルモデルを導入する方針を明らかにした。同社は現在6つの尾鉱ダムを抱えており、そのうち4つが北極圏のタイミル半島にある。同社は昨年5月から7月にかけ、相次いでパイプラインなどから燃料や汚染水を外部に流出する事故を起こしていた。

ノリリスクニッケルは尾鉱管理全体のデジタル化を通じ、尾鉱の状態変化を正確に予測していく方針だ。これまで尾鉱の監視は人が行ってきたが、今後はドローンやロボットなどを活用し、尾鉱ダムの決壊の兆候となる水漏れなどを捉えていく。

同社はこれまでも永久凍土の状態監視にセンサーを活用してきた。センサーは建造物の土台に設置され、情報が分析センターに送られるようになっている。

タイミル半島では昨年5月に2万トンの燃料が漏出する事故が発生した。クラスノヤルスク州の仲裁裁判所は連邦天然資源利用監督庁の主張を一部認め、ノリリスクニッケルに対し1,460億ルーブル(16億8,990万ユーロ)の罰金を科した。同社の支援でロシア科学アカデミーが昨年行ったノリリスク地区の環境調査によると、地下水が永久凍土を侵食し発電所の杭基礎が緩んだ可能性が指摘されている。(1RUB=1.53JPY)

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