鉄鋼の伊ベルトラーメ、ルーマニア新工場に3億ユーロ投資

●「欧州グリーンディール」に沿い環境対応を強化

●『ゼロエミッション鋼』の製造技術確立を目指す

棒鋼・特殊鋼大手の伊AFVベルトラーメは5日、ルーマニアに3億ユーロを投じて鉄筋・線材工場を新設すると発表した。欧州連合(EU)の包括的な環境政策「欧州グリーンディール」に沿い、製造過程で排出される温暖化ガスと粉じん・煤塵(ばいじん)を最低限に抑えるとともに、ルーマニアで高まる建設需要に対応する狙い。現在、具体的な建設地を選定中だ。

新工場には製鋼所・圧延所を設けるほか、出力100メガワット(MW)の太陽光発電所も併設する。年産能力は約60万トン。直接雇用で250人、間接雇用で150人の雇用創出が見込まれる。

ベルトラーメによると、欧州では過去10年以上、グリーンフィールド投資で製鋼所が建設されてこなかった。現時点では「『ゼロエミッション鋼』は技術的に難しいが、可能な範囲で実現し、最高の技術標準を打ち立てたい(仏ルーマニア・グループ事業開発部長のカルロ・ベルトラーメ氏)と抱負を述べている。

ベルトラーメは1896年の創業。本国イタリアのほか、フランス、スイス、ルーマニアで計6工場を運営する。ルーマニアでは2006年にブルガリア国境に近いカララシに子会社ドナラムを設立し、熱間圧延棒鋼・特殊鋼を製造している。

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