ロシア中銀が4会合連続で利上げ、政策金利6.5%に

●インフレ率が中銀の目標値を大きく上回ることを警戒

●需要の急速な回復と供給不足によりインフレ圧力が高まる

ロシア中央銀行は23日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を5.5%から1ポイント引き上げ、6.5%とすることを決めた。利上げは4会合連続。景気回復を背景とする物価上昇に歯止めがかからず、インフレ率が中銀の目標値を大きく上回ることを警戒し、利上げ幅は前回の0.5ポイントを大幅に上回った。26日付で新金利を適用する。

同国の6月のインフレ率は前月を0.5ポイント上回る6.5%に拡大し、昨年5月(3%)からの上げ幅は計3.5ポイントに達した。内需の回復に供給が追い付かず、企業がコストの増加を価格に転嫁していることが影響している。中銀は、2021年は5.7~6.2%、22年は4%~4.5%で推移し、その後は目標値の4%寄りにとどまると予想している。

中銀によると、4~6月期の経済成長率はコロナ前の水準まで回復した。多くの業種で企業の生産性がコロナ禍以前の水準を上回っていることに加え、賃金上昇を背景に民間最終消費支出が増加していることが大きい。

今年の成長率予測について中銀は4%~4.5%の増加を見込んでいる。その後は2023年にかけて毎年2%~3%のペースで成長する見通し。 中銀は声明で、内外の需要の急速な回復、それに伴う供給不足などでインフレ圧力が高まっており、インフレ目標からの「長期的な逸脱」を招きかねないと指摘。状況が基本予測に沿って進む場合にはさらなる追加利下げを行う姿勢を示している。

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