ノキア、南東欧3カ国のコアネットワーク更新事業に参加

●蘭ユナイテッドの5G整備事業に関連して参加

●両社は光通信および無線メッシュネットワークを地域に導入

フィンランドの通信機器大手ノキアはこのほど、ブルガリア、クロアチア及びスロベニアの通信ネットワーク向けの通信システムを受注したと発表した。オランダのITメディア大手ユナイテッド・グループが行う整備事業に関するもので、ノキアはサブスクライバー(利用者)データ管理(SDM)ソフトウエアや、複数のベンダーから導入したシステムを統合するための製品を提供する。

ノキアによると、同社は通信情報網の中核(コアネットワーク)を構成するクラウドパケット・コア、ボイス・コア、3Gコア及びクラウドインフラなどに関連した製品を提供する。これらにより第5世代(5G)通信サービスのスピードやセキュリティを向上させることができるという。

ノキアはまずこれらのシステムを夏以降、ユナイテッドの第3世代(3G)及び第4世代(4G)のネットワークにクラウド上で導入する。ユナイテッドはその後、コアネットワークとその外に位置する基地局共に5G対応を図るスタンドアロン(SA)方式、または一部の基地局で先行して5Gと4Gの一体運用を行うノンスタンドアロン(NSA)方式で5Gサービスを提供する予定だ。

ノキアは今年初めにユナイテッドとの間で、光ファイバーによる次世代ネットワークと家庭用無線メッシュネットワーク(複数の無線LANルーターを使い効率的に電波を届ける仕組み)を南東欧地域に導入することで合意していた。両社は光アクセス網を新規に敷設するほか、通信速度が10ギガビーピーエス(Gbps)のアクセス回線向け光ファイバー規格「XGS-PON」の導入済み地域で設備更新を進めていく。ユナイテッドは今後5年で5億ユーロ以上を投じ、既存の光ファイバー網の改修と新規導入を実施する計画だ。

ユナイテッドは通信サービスとメディア事業を両輪とする戦略を取っている。2020年には通信企業のTELE2クロアチア(現テレマフ・フルバツカ)とブルガリア・テレコム(BTC)を買収したほか、今年初めにはブルガリアのテレビ局ノバ・ブロードキャスティングを取得している。

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